相続財産管理業務とは
相続財産管理業務とは、「被相続人名義の相続財産を、遺産分割協議にしたがって各相続人に配分する業務」です。裁判所により選任される相続財産管理人とは異なり、相続人からのご依頼による「任意相続財産管理人」として、司法書士が業務をおこなうものです。
- 代理人として金融機関などでの手続きを代わりに
- 銀行や証券会社などでの相続手続きを、相続人がご自身でおこなうのが非常に大変なこともあります。そこで、司法書士を相続財産管理人にすれば、相続人の代理人として金融機関などでの手続きを代わりにすることができます。
司法書士による財産管理業務は、平成14年の司法書士法改正により明文化された新しい業務です。そのため、銀行預金の解約や、証券会社での株式名義書換手続きを、司法書士が代理人としておこなえるのは、一般にはあまり知られていないかもしれません。
具体的に「いったい何を頼めるのかが知りたい」とのご質問も歓迎しております。お気軽にお問い合わせください。
委任契約の例
- 財産の管理や、身上監護に関する事務を、お願いできます。
- 財産管理等の委任契約で委任する内容は、任意後見契約と同じ範囲にすることもできますし、任意後見契約よりも狭く定めることもできます。
例えば、下記のようなことを委任しておけます。
- ■金融機関の口座管理(預貯金の出金、解約)をお願いしたい
- ■身体が不自由になったら、生活用品の購入をお願いした
- ■賃貸している不動産の、家賃収入の管理をして欲しい
- ■施設や入院費の支払いをして欲しい
財産管理等委任契約と、任意後見契約との違い
- 財産管理等の委任契約は、いつでもスタートさせることができます。
- 財産管理等の委任契約と、任意後見契約の違いは、下記のとおりです。
財産管理等委任契約 | 任意後見契約 | |
---|---|---|
契約方法 | 公正証書に限らない(※1) | 公正証書に限る |
契約がスタートする時期 | いつでも可能(※2) | ご本人の判断能力が不十分になり、 家庭裁判所で任意後見監督人が選任された時 |
支援をする人 |
財産管理人(司法書士等) | 任意後見人(財産管理等) |
監督する人 |
法律の定めなし | 任意後見監督人 |
※1財産管理等委任契約は、「公正証書で契約する」ことは要件ではないものの、公正証書にすることが望ましいと言われています。任意後見契約と同時に契約する場合は、任意後見契約を締結する公正証書と、同じ公正証書で別契約にすることも可能です。
※2契約と同時に効力を発生させることもできますし、条件付きの契約にすることもできます(例えば、預貯金口座の管理は、「預貯金の通帳及びキャッシュカードを引き渡した時から」等)。